実績とのずれに合わせて計画を修正する
丸井織物では、織機の稼働状況を監視できても、トラブルが起きると目視で確認し、生産計画を手入力で修正していた。同社はセンサーで集めた実績と計画にずれが生じた際、計画を自動修正するプログラムを導入。石川県情報システム工業会の事例では、計画修正に要する時間を月24時間短縮したと報告されている。
アトツギ経営者も、繰り返し行う計画修正の条件を担当者と整理し、一定のルールで処理できる変更から見直してはどうか。
出典:丸井織物株式会社/生産管理システムにおける配台変更作業の自動化
https://www.isa.or.jp/workstyle/modules/contents2/index.php?content_id=10
専任者の計画立案をシステムで支える
住江織物の大阪工場では、多くの工程を経る製品の計画立案が、専任担当者のノウハウに依存していた。2003年に工程管理システムと生産スケジューラAsprovaを導入して工場内の状況を見えるようにした。導入記事では、スケジュール立案時間が半減し、在庫量も約45~50%減ったと紹介されている。
アトツギ経営者も、先代や担当者が計画を組む際に優先している条件を言葉にし、ほかの人も検討できる形で残してはいかがだろうか。
出典:住江織物株式会社/住江織物株式会社 様
https://www.asprova.jp/casestudies/suminoe.html
染色計画と進捗を同じ画面で確かめる
艶金では、納期短縮の相談を受けると、事務所の職員が現場担当者に確認しに行く必要があった。生産スケジューラを導入して染色機ごとの計画や進捗、納期予定を一元管理し、工場と事務所のモニターで共有。中
部経済連合会の取材記事では、現場へ確認に行く負担が解消し、取引先へ迅速に回答できるようになったと報告されている。
アトツギ経営者も、納期回答のたびに誰へ何を確認しているかを洗い出し、計画と実績を同じ情報で話し合えるよう見直してはどうか。
出典:株式会社艶金/ DX 推進と脱炭素経営の両立:老舗企業艶金の挑戦
https://www.chukeiren.or.jp/wp/wp-content/uploads/2022/12/chubudx_2023.1.2.pdf
まとめ
3社の事例に共通するのは、計画を一度作って終わりにせず、現場の変化に合わせて組み直せる仕事へ変えたことだ。計画を立てる条件、実績とのずれ、変更後の見通しが見えるようになれば、担当者以外も変更の理由を理解でき、納期の相談や仕事の引き継ぎにもつなげやすくなる。
AIで計画業務をどう変えられるか考えるアトツギ経営者の方は、最近の計画変更を一つ取り上げ、何をきっかけに、どの条件を優先して変更したのかを担当者と振り返ってはいかがだろうか。自動化する範囲と人が判断する範囲を、その具体的な仕事から整理することが出発点になる。




