図面と実績、出荷予定をまとめて扱う
日本サカスのプラテック事業部では、二重三重の転記と図面探しに時間がかかり、出荷日も当日まで分からなかった。同事業部はTECHS-BKで指示書や図面の発行、実績収集、出荷予定の共有を実施。導入記事では、総計で月143時間の業務を削減し、納期遵守率100%になったと報告されている。
アトツギ経営者は、納期の問い合わせに答えるために、図面や進捗を何か所から集めているかを確かめたい。担当者の感覚だけに頼らず納期の判断理由を共有できるよう、実績と出荷予定をつなぎ、どの工程の進み方を確認するか見直してはいかがだろうか。
出典:日本サカス株式会社 プラテック事業部/ 受注増の中、業務の効率化で月 143 時間の工数を削減
https://www.techs-s.com/case/show/101
日報処理の手順を引き継げるようにする
角一化成の滋賀事業所では、日報入力に時間とミスが生じ、独自の手順を知る担当者が不在だと作業が止まっていた。同事業所はpenguのOCRとETLで日報のデータ化と整形を自動化し、業務手順を仕様書にした。導入記事では、別のスタッフが不在担当者の入力業務を引き継げるようになったと報告されている。
アトツギ経営者が見落としたくないのは、自動化した後も、その仕組みの動かし方を一人だけが知る状態だ。処理時間の短縮と不在への備えを両立するため、日報の処理手順を残し、別の人が引き継げるかまで確かめてはどうか。
出典:角一化成株式会社 滋賀事業所/データ化が顧客との信頼をつなぎ、工場の活気を生み出す
https://lp.sdtm.omron.com/case007/
サイクルタイムを基に先の計画を立てる
長坂樹脂工業では、週間計画しか立てられず先行加工ができなかった。サイクルタイムや設備負荷が不明で計画が狂い、納期直前の割り込み検査も頻発していた。同社は製品情報を整理したうえでものレボを導入し、サイクルタイムに基づく月間計画を可視化。導入記事では、設備稼働率が約20%向上し、検査工程の月間残業を約90%削減したと報告されている。
アトツギ経営者は、割り込み対応が多い理由を、人手の不足だけでなく、加工時間や設備負荷を計画に織り込めているかから見たい。前倒しすべき工程や負荷の集中を見つけるため、計画の前提と実績を照らし合わせ、現場と同じ材料で予定を見直してはいかがだろうか。
出典:有限会社長坂樹脂工業/ 適切な工程計画を立てることで、設備の稼働率が約 20% 向上しました!
https://monorevo.jp/case/nagasakazyusikougyou.html
まとめ
3社の事例が示すのは、実績、作業手順、加工時間を共有することで、担当者の経験に閉じていた仕事を見直す道筋だ。入力を速くするだけではなく、不在でも処理を続けられるか、先の負荷を踏まえて予定を組めるかまで視野に入れている点が重要だ。
アトツギ経営者の方は、納期が直前まで分からない工程や、一人が休むと止まる事務を選び、足りない情報を現場と確かめてはいかがだろうか。AI・デジタル活用を考える際も、作業時間の短縮に加え、次の担当者が同じ根拠で仕事を進められるかという観点で改善を評価したい。



