帳票の入力と承認を現場に合わせる

佐藤水産では、以前の電子帳票の画面が使いにくく、一括承認もできなかった。未入力を防ぐ設定も難しく、記入漏れや監査対応に不安があった。同社は現場で使いやすいカミナシの電子帳票へ移行。導入記事では、帳票の確認時間が従来の8分の1になったと報告されている。

アトツギ経営者は、電子帳票の有無よりも、現場が無理なく入力でき、管理者が漏れを確かめられるかを見たい。記録する人と確認する人のどちらに負担が偏っているかを把握するため、一つの帳票で入力から承認までをたどり、改善箇所を絞ってはどうか。

出典:佐藤水産株式会社/ 「ペーパーレス化したのに“現場が変わらない”」を越えて、実現した製造現場 DX

https://kaminashi.jp/case/sato-suisan

変更された基準を部門を越えて伝える

イチビキの第2工場では、基準変更が伝わらず、不良品の判定や機械設定にミスが生じていた。欠勤の連絡が管理者の個人SNSへ時間外にも届くことも課題だった。同工場はカミナシ従業員で部門横断の一斉チャットや実習生への連絡を集約。導入記事では、工場起因のクレームが直近4年平均比で58%減ったと報告されている。

アトツギ経営者が確かめたいのは、基準が変わったとき、必要な部門と作業者へ同じ内容が届くかという点だ。不在時も品質に関わる変更を伝えられるよう、管理者個人への連絡に頼る部分と部門間の共有方法を見直してはいかがだろうか。

出典:イチビキ株式会社/ クレーム件数 58% 削減を実現。情報共有の仕組みを構築

https://kaminashi.jp/case/ichibiki

設備の記録を探せる場所に集める

加藤製油では、資料が分散して必要な記録を探せず、ISOの確認項目が増えるなかで運用が形骸化していた。以前のグループウェアも定着しなかった。同社はカミナシレポートと設備保全を導入し、紙の記録や保全履歴をデジタル化。導入記事では、設備保全を4か月で移行し、半年で約300件の履歴が蓄積されたと報告されている。

アトツギ経営者は、設備ごとに過去の不具合と対応をたどれるかを確認したい。設備の古さという印象だけで判断せず、現場と修理・点検の経緯を照らし合わせ、追加の確認が必要な設備を選んではどうか。

出典:加藤製油株式会社/ 過去の失敗と現場との二人三脚が、老舗食用油メーカーの DX を加速

https://kaminashi.jp/case/kato-oil

まとめ

3社の事例が示すのは、記録を残すことと、日々の品質管理で使えることは別だという点だ。入力しづらい帳票、届かない変更連絡、探せない保全履歴を改めるには、保存先だけでなく、誰が記録し、誰がいつ確かめるかまで整える必要がある。

アトツギ経営者の方は、帳票や設備履歴のうち一つを選び、記録から確認・対応までの流れを現場とたどってはいかがだろうか。AI・デジタル活用を考える際も、確認の速さだけでなく、必要な情報を漏れなく受け取り、対応へつなげられるかを改善の基準にしたい。