共用できる部品を、設計から手配までつなぐ

ワイエイシイデンコーでは、加熱装置を受注するたびに、共用できる部品まで一から設計していた。図面からの手入力による部品手配漏れも課題だった。同社は部品構成表管理システムのBom-jinを導入し、設計の標準化ルールを整備。3D CADと品番を連携させた。2021年7月取材の導入記事では、設計データの流用が進み、1製品当たり約10件あった部品の手配漏れがなくなったと報告されている。

アトツギ経営者の方は、繰り返し使う部品を一つ選び、設計データと手配に必要な品番がつながっているかを、設計・購買の双方と見直してはいかがだろうか。

出典:ワイエイシイデンコー/株式会社ワイエイシイデンコー 導入事例

https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/case/yac-denko-dx.html

機種を越えて部品を参照し、正しい版を共有する

岡本工作機械製作所では、機種ごとの部品表が共有されず、同じ部品を別々に作図していた。Excelの部品表を手で作る手間や、古い版で部品を手配するミスもあった。同社は2021年6月にVisual BOMを採用し、部品表と3D形状を組み合わせて参照できるようにした。2024年の導入記事では、部品が使われている機種を横断して確認でき、流用設計が進めやすくなったと報告されている。部品表のExcel出力も自動化され、旧版で手配しようとすると警告する仕組みが整った。

アトツギ経営者の方は、部品を再利用する際に必要な使用機種と版の情報を洗い出し、次の担当者も同じ情報で確認できる管理方法を検討してはどうか。

出典:岡本工作機械製作所/設計業務の効率化だけでなく、流用設計の促進やミスの軽減も実現!

https://www.presight.co.jp/case/plm-cs20240828/2629/

標準構成と追加仕様のルールをそろえる

キラ・コーポレーションでは、基本仕様から顧客ごとに部品を加減する設計によって類似機種が増え、保守部品の対応も複雑になっていた。同社は品目コードや図面番号のルールを整え、Bom-jinで標準機の部品構成表を作り、そこへ追加仕様を組み込む設計の流れを確立した。パーツリストの自動生成なども進めた。導入を支援した大塚商会の公開資料では、標準機の構成比率が3割から6割へ増え、設計工数を30%削減したと報告されている。

アトツギ経営者の方は、顧客対応の柔軟さを保ちながら、共通に使う構成と注文ごとに変える部分を分け、設計と保守で共有できるルールづくりを始めてはいかがだろうか。

出典:キラ・コーポレーション/ 流用化・標準化設計を Slow & Steady に実現した好事例

https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/topics/column/manufacturing/standardized-design.html

出典:キラ・コーポレーション/ BOM の基礎知識と流用化・標準化設計のススメ

https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/category/manufacturing/sp/solving-problems/archive/201111.html

まとめ

3社の事例から見えてくるのは、一品一様の製品でも、共通に使える部品や構成を整理すれば、設計の成果を次の仕事へ引き継げるということだ。図面を見つけるだけでなく、どの機種で使うのか、どの版が正しいのか、どこを変更できるのかを部品表とルールで共有することで、再設計や手配時の確認を減らしやすくなる。

アトツギ経営者の方は、AIで仕事の引き継ぎをどう変えられるか考える際にも、まず繰り返し使う部品やユニットの情報がそろっているかを確かめてはいかがだろうか。探しやすさに加えて、安心して再利用できる条件を残すことが、ベテランの判断を次の担当者へ渡す土台になる。すべてを一度に標準化するのではなく、共通化しやすい構成から、現場と検討を始めてはどうか。

AIシャイン。使える設計を、正しい版で再利用。
部品構成から、手配までつなぐ。 産業機械での使い方を見る