工場を越えて設備の履歴を共有する

三宝化学研究所では、一人だけが修理履歴を知っており、退職後の継承が難しかった。工場ごとに点検項目や頻度も異なり、簡略な記録では故障原因が残らなかった。同社はMENTENAで設備台帳と点検項目を統一し、保全履歴を共有。導入記事では、他工場の保全状況を参照できる体制を構築したと報告されている。

アトツギ経営者が確認したいのは、前任者がいなくても、故障の経緯と行った対応を説明できるかという点だ。工場間で履歴を比較できるよう、点検項目や記録の粒度をそろえ、記録が不足する設備や見直したい点検方法を現場と挙げてはどうか。

出典:株式会社三宝化学研究所/属人化した設備保全から脱却!拠点間でのノウハウ共有も叶えた設備保全改革

https://mentena.biz/company/sanbo-chem/

発注と納期回答の転記を電子化する

第一工業製薬では、発注や確認のために出社する必要があり、納期回答の転記と照合にも負担がかかっていた。取引先からも電子化を求められ、同社はBtoBプラットフォームで発注・受入・検収を電子化し、回答を基幹システムへ連携した。導入記事では、一部門で8割強を電子化し、回答納期の転記が不要になったと報告されている。

アトツギ経営者は、発注書を電子化するだけでなく、取引先の回答が社内の登録へ届くまでを確かめたい。途中の転記による出社や担当者への依存を減らすため、どこまで情報をつなぐ必要があるかを購買担当者と見直してはいかがだろうか。

出典:第一工業製薬株式会社/ 脱 FAX ! ペーパーレスから働き方改革へ前進

https://www.techs-s.com/case/show/98

現場の映像を遠隔で確認する

丸善石油化学では、回転機器の保全現場によっては移動に徒歩15~20分を要し、到着しても確認のタイミングが合わず無駄足になることがあった。同社は固定カメラとウェアラブルのSafieカメラで複数現場を遠隔確認し、映像を共有。導入記事では、移動の削減、確認の空振りの解消、交代時の引き継ぎ改善が報告されている。

アトツギ経営者は、移動して確かめる仕事のうち、映像で事前確認できるものと現地での確認が必要なものを分けて考えたい。移動を一律に減らすのではなく、必要なタイミングで現場へ向かえるよう、確認の目的に合わせた映像共有を小さく試してはどうか。

出典:丸善石油化学株式会社/ 広大なプラントの定修工事で Safie を活用 移動時間削減、進捗管理の効率化を実現

https://safie.jp/casestudy/chemiway/

まとめ

3社の取り組みに共通するのは、履歴や取引情報、現場の状況を、特定の人や場所に行かなくても確認できる方向へ変えることだ。設備の過去と現在をたどれ、取引の情報が途切れず届く仕組みは、担当者の交代や拠点間の協力を考える際にも重要になる。

アトツギ経営者の方は、不在や移動によって確認が止まる仕事を一つ選び、必要な情報と確認方法を整理してはいかがだろうか。AI・デジタル活用を検討する際も、遠隔で済ませる範囲と現場で確かめる範囲を区別し、必要な判断を遅らせない共有の仕組みを目指したい。

AIシャイン。履歴・現場・発注状況を、
確認しに行く前に確かめる。 化学製造での使い方を見る