衛星が届きにくい現場でも、建機の位置を確かめる

ワークスでは、宮城県の治山ダム工事で、急斜面に丁張りを設ける際の工数と安全確保が課題だった。山間部で衛星信号を受信しにくいため、測量器のトータルステーションから位置情報を取得する3Dマシンコントロール建機を導入した。導入記事では、この現場で丁張りの設置と手元作業員が不要になり、施工精度も良好だったと担当者が報告している。

アトツギ経営者の方も、位置や高さの確認に人が入っている場所を洗い出し、衛星の受信状況など現場の条件に合った計測方法を検討してはいかがだろうか。

出典:株式会社ワークス/ 山間部の常識を変えた! ICT ソリューションの活用技術

https://kcsj.komatsu/ict/smartconstruction/case/case778

施工履歴を使い、丁張りの管理と出来形確認を軽くする

小野工業所では、阿武隈川の掘削工事で、形状の変化点が多く、増水による丁張りの手直しも見込まれていた。5か所の現場を2人で管理するため、ICT建機と施工履歴データを活用した出来形管理を採用。導入記事では、丁張りを9割減らし、設置・再設置と出来形管理の負担を抑え、結果として約1か月半の工期短縮につながったと担当者が報告している。

アトツギ経営者の方は、施工中に残しているデータを完成形状の確認にも使えるか、現場の管理者と検査に必要な情報を照らし合わせてはどうか。

出典:株式会社小野工業所/雨にも負けない!施工履歴データの活用でラクラク出来形管理

https://kcsj.komatsu/ict/smartconstruction/case/case644

設計面と建機の位置を照合し、少ない人員で精度を保つ

東和道路では、人手不足に加え、限られた工期の中で若手に経験を積ませる難しさがあった。同社はTSやGPSを用いた3Dマシンコントロールを導入し、3次元設計データと建機の位置・姿勢情報に基づいて施工する方法を広げた。導入記事では、丁張りを不要にすることで、6人を要した現場を3人で回し、1か月の作業を半月で終えた経験があると社長が説明している。

アトツギ経営者の方も、必要な精度を保つためにどの確認を人が担っているかを整理し、経験者と若手が一緒にデータを確かめながら施工する進め方を試してはいかがだろうか。

出典:東和道路株式会社/東和道路株式会社(千葉県)

https://www.sumitomokenki.co.jp/ict/casestudy/580/

まとめ

3社の事例から見えてくるのは、位置や高さを確かめる基準をデータにすることで、現場で人が繰り返し確認する負担を減らせるということだ。施工前に目印を設けるだけでなく、施工中の位置や施工後の形状まで同じ設計情報に照らせれば、担当者が判断に使える材料も揃えやすくなる。

AIで現場の確認業務を変えたいアトツギ経営者の方は、まず一つの工事で、丁張りの設置、施工中の検測、出来形確認のどこに時間がかかっているかを確かめてはいかがだろうか。必要な精度と現場の計測条件を整理し、データで支えられる確認から見直すことを提案したい。