修理に必要な図面を、離れた拠点からも探せるようにする
東都フォルダー工業では、オーダーメイドで納めた機械の修理に際し、古い紙図面を特定する作業が設計担当者の仕事を止めていた。関西や九州の拠点も、本社の設計課へ問い合わせる必要があった。同社はSellBOTを導入し、機種や装置ごとに図面を整理するとともに、利用者の閲覧権限を設定。導入記事では、図面の特定が約1時間から約5分になり、遠方拠点からの図面特定に関する問い合わせも半分以下に減ったと報告されている。
アトツギ経営者の方は、修理対応で繰り返し聞かれる図面を入口に、現場の担当者が必要な資料へたどり着ける検索条件と閲覧範囲を見直してはいかがだろうか。
出典:東都フォルダー工業/ 紙図面の捜索に 1 時間——「部品探しのイベント」をゼロへ。遠方拠点との情報連携と設計 DX を実現した SellBOT の威力
https://www.sellbot.jp/case/industry/industrial-machinery/p5126/
ベテランの記憶にある過去設計を、拠点を越えて共有する
エバ工業では、一品一様の設備設計に必要な過去情報の探索が、設計者の記憶に依存していた。ベトナム拠点への設計指示にも、日本側で参考資料を準備する手間がかかっていた。同社はAIを活用したCADDiを導入し、過去の設計情報を検索・共有できるようにした。導入記事では、日本とベトナムを合わせ、情報探索の工数を月300時間以上削減したと報告されている。社内での利用を通じ、まず新しく作るのではなく、過去の設計を活用する意識も生まれたという。
アトツギ経営者の方は、若手や別拠点へ設計を引き継ぐ際、図面の渡し方だけでなく、担当者自身が似た過去案件を探せる環境を小さく試してはどうか。
出典:エバ工業/ベテランと若手、ベトナムと日本。時間も空間も超えた設計データ共有で、人財を育てる。
https://caddi.com/ja-jp/case-studies/eba/
設計と調達の双方で、蓄積した図面を使えるようにする
スギノマシンでは、紙やPDFで管理していた図面の検索性が低く、調達部門では過去の実績、設計部門では以前に作った図面を参照するのに時間を要していた。同社はCADDi Drawerを導入し、キーワードや類似形状などから図面を探せるようにした。2023年7月の発表では、導入から約3週間で数万枚の図面を登録し、日々の検索に活用。一部のケースでは、導入前に比べて工数を約5割削減したと報告されている。
アトツギ経営者の方は、設計と調達で同じ図面を探す場面を確かめ、部署を越えて使える検索項目や情報の残し方を検討してはいかがだろうか。
出典:スギノマシン/ 創業 87 年の産業機械メーカー 株式会社スギノマシンが図面データ活用クラウド「 CADDi Drawer 」の導入を決定
https://caddi.com/ja-jp/news/press/20230726/
まとめ
3社の事例に共通するのは、保管していた図面を、担当者や拠点が替わっても探して使える情報へ変えたことだ。図面が残っていても、所在を知る人に聞かなければ見つからない状態では、仕事の引き継ぎは進みにくい。必要な情報へ自らたどり着ければ、設計者への問い合わせを減らし、過去の仕事を次の設計や修理に生かしやすくなる。
アトツギ経営者の方は、AIで仕事の引き継ぎをどう変えられるか考える第一歩として、よく探す図面を一つ選び、誰が、何を手がかりに探しているのかを現場と確かめてはいかがだろうか。保存枚数を増やすだけでなく、次の担当者が見つけて使えるかを軸に、図面の整理と共有を見直すところから始められる。




