図面の不整合を見つけ、関係者で是正する

大末建設では、意匠・構造・設備の図面に食い違いがあり、施工のミスや手戻り、余分なコストが発生していた。同社は2023年にSolibriを導入し、関係会社のBIMモデルを統合して干渉を検出。担当者の目視確認も併用し、指摘事項を共有して調整会議で是正方法を決め、モデルを更新する流れを整えた。導入記事では、この運用によって不整合を抽出し、施工での手戻りや関連する手間・コストを抑制できたと担当者が報告している。

アトツギ経営者の方も、図面を確認するだけで終わらないよう、指摘を誰が検討し、修正後を誰が確かめるかまで、確認の流れを見直してはいかがだろうか。

出典:大末建設株式会社/大末建設株式会社

https://www.graphisoft.com/ja-jp/case-studies/daisue-2024/

変更点を共有し、施工前の判断を進める

河本工業では、施工図を作る人材が足りず、BIMモデルがあっても2D図面を別途修正する二度手間が生じていた。同社は「施工BIMビルダー」を活用し、外部チームがモデル作成を先行、社内チームが設計・施工上の判断を担う体制に変更。変更点をスプレッドシートで共有し、関係者がモデルを見ながら納まりや不整合を検討した。導入記事では、事前の合意形成を徹底した結果、RFIと呼ばれる質疑の件数が従来の半分以下になり、施工段階の判断待ちも減ったと報告されている。

アトツギ経営者の方は、図面を直す作業と技術的な判断が一人に集中していないかを確かめ、変更内容と判断が必要な箇所を分けて共有する運用を小さく試してはどうか。

出典:河本工業株式会社/ RFI を 50% 削減し 1,000 万円超のコストメリットを創出。「施工 BIM ビルダー」で到達した、 BIM活用の最適解

https://corporate.photoruction.com/service/bim/seko/case/20260623

施主と同じモデルで、設計の前提を確かめる

石本建築事務所では、複数拠点や専門分野をまたぐ設計情報に加え、図面だけでは伝えきれない設計意図を共有する仕組みが必要とされていた。同社はBIMモデルに情報を集約し、BIMxなどを使って施主も確認できる環境を整備。ガイドラインとレビューによって入力の詳細度や表現ルールも揃えた。導入記事では、施主と同じモデルで判断することで前提が後から覆りにくくなり、確認の往復や修正の連鎖が減ったと担当者が説明している。

アトツギ経営者の方も、説明したつもりの内容と施主の理解が揃っているかを確かめるため、完成イメージと合意した条件を同じ資料で共有する方法を検討してはいかがだろうか。

出典:株式会社石本建築事務所/ 石本建築事務所 × グラフィソフトジャパン

https://www.graphisoft.com/ja-jp/case-studies/ishimoto-gsj-2026/

まとめ

3社の事例から見えてくるのは、確認や修正の負担を減らすには、情報を表示するだけでなく、関係者が同じ前提で判断し、その結果を図面やモデルへ反映する流れが必要だということだ。図面の整合を確かめる、変更点を受け渡す、施主と認識を揃える。それぞれの段階をつなぐことで、食い違いを後から直す仕事から、先に確かめて進める仕事へ変えられる。

AIで確認業務をどう変えられるか考えるアトツギ経営者の方は、まず最近の案件で、どの情報の食い違いによって確認が往復したのかを振り返ってはいかがだろうか。元になる図面や変更履歴、判断の記録が関係者に届いているかを確認し、次の案件で共有の方法を一つ見直すところから始めてはどうか。