糸切れの発生をその場で知らせる

帝人フロンティアニッティングの小松工場では、糸切れを巡回で見つけており、発見まで10分近くかかる場合もあった。既設センサーの情報をクラウドで集計し、大型モニターやタブレットへ稼働状況を表示する仕組みを導入。導入記事では停止時間の減少により、80%台だった稼働率が90%以上になる日も生まれたと報告されている。

アトツギ経営者も、故障を直す時間だけでなく停止に気づくまでの時間に目を向け、今の設備から状態を取り出せないか現場と確認してはどうか。

出典:帝人フロンティアニッティング株式会社/ IoT ソリューション導入事例

https://www.icc.co.jp/casestudy/private_10.html

編み機の状態を正確に取得する

ケーシーアイ・ワープニットでは、編み機の短時間停止を把握し、生産性の改善につなげようとした。振動センサーなどでは正確な取得が難しく、複数の方法を試した末、電流を測るCTセンサーを3か月実証して採用した。中部経済産業局の事例では労働生産性が2%上がり、作業員が稼働表示を見て行動する変化も紹介されている。

アトツギ経営者も、表示を増やす前に実際の停止と取得データが合っているかを確かめ、一台の設備から検証してはいかがだろうか。

出典:ケーシーアイ・ワープニット株式会社/企業の取組事例:ケーシーアイ・ワープニット

https://www.chubu.meti.go.jp/b21jisedai/chubudx/efforts/19/index.html

停止と修復の記録をスマートフォンへ届ける

国島では、織機に取り付けた行燈をスマートフォンと連動させ、停止を知らせる仕組みを整えている。不具合の情報や故障時刻、修復記録もデジタル化し、スマートフォンとPCで確認できるようにした。機械システム振興協会のフォーラム報告では、対応の迅速化や、対応した人の技能水準の把握につながっていると紹介されている。

アトツギ経営者も、停止の通知を誰が受け、対応後に何を残すかを決め、次の担当者が修復の経緯をたどれる運用を検討してはどうか。

出典:国島株式会社/ 令和 6 年度 尾州地域における中小企業集積 DX 化フォーラム サマリー

https://www.mssf.or.jp/info222/

まとめ

3社の取り組みから見えてくるのは、稼働状況を表示すること自体ではなく、停止を早く捉え、必要な人が対応し、その結果を残せるようにする意味だ。設備ごとに合う取得方法を選び、現場で確認できる場所へ届けることで、巡回や経験だけに依存していた対応をチームの仕事へ変えられる。

AIで設備対応をどう変えられるか考えるアトツギ経営者の方は、繰り返し止まる設備を一台選び、「いつ止まり、いつ気づき、どう直したか」を確かめてはいかがだろうか。停止の記録と対応の記録を結び付けるところから、次に同じことが起きた際の動き方を共有できる。